「三春」とは、梅･桃･桜がいちどきに咲き競う街…。福島県の中通りに位置する三春町は、郡山駅から車で約30分、山間の小さな町です。人口１万８千人のこの町が一躍脚光を浴びるのは春の桜の季節、日本一の紅枝垂桜「滝桜」があるからです。今回は、私たちの知っていただきたい「三春」をご案内します。東北の小さな城下町｢三春｣へようこそ！　案内人　Ｋ子＆Ｍ子






滝桜　　　　　　　　　　　
　樹齢1000年以上といわれ、満開に咲き誇る姿は滝のように見えることから名づけられその雄大さは万人に感動を与えます。毎年４月中旬に咲きますが30万人以上の人たちがおいでになります。その子孫は近隣だけでも数千本、国内だけでなく外国にもありますのでその数どのくらいか…三春の町には樹齢300年以上の子どもたちが何本もあります。有名な滝桜だけでなく、ほかの枝垂桜を観て歩くのも　とても楽しいですよ。滝桜の子孫樹は、新座市のキツネノカミソリの里にもあると聞きました。ぜひ一度お会いしたいものですね。
キツネノカミソリの里は新座市営墓園内にあり、新座滝桜の前にはかつてプチぶんか村に掲載された紹介文の看板が立っています。

田村高校
田村市ではなく三春にある県立田村高校、私達の母校です。ちなみに私達文学部仲間です。年末の全国高　校駅伝では男女とも出場し、
男子は７位入賞でした。校内には多くの桜の木があり、春はとてもきれい。御地のタムラ製作所とは関係は無いと思うのですが、Ｋ子の次男が勤めていて不思議なご縁です。
東大泉にあるタムラ製作所は業界随一の電子部品製造会社で、創業85周年。
新座市池田にあるだちょう牧場の奥様と、その近くの県立高校の元校長先生もなんと田村高校出身です。

桜めん
　江戸時代、三春藩（五万石）は三春索麺を幕府に献上していました。近年その麺に桜の葉を練りこみ手延べ製法でゆっくり低温乾燥させ出来た「桜めん」、のど越しの良さ、こしの強さ、風雅な香りでピンクの色も美しい逸品です。３〜５月の季節限定品。
�鰍�ぐりかる　TEL：０２４７-６２-４１１８　HP：http://www.miharu.ne.jp
色がきれい、といえばオレンジ色の「にんじんうどん」が新座名物。

宗久さん
　Ｋ子の実家の菩提寺、三春町御免町にある福聚寺の
ご住職、『中陰の花』第125回芥川賞受賞玄有宗久氏。芥川賞作家でありながら町の中で托鉢をしていたり、とても身近な方。お経のお声がとても素敵で、戒名の書がまた素晴らしい。玄有さんのＮＨＫ講座はすぐにいっぱいになってしまう。本ばかりではなくファンが多く、三春の名誉町民です。現在、著作の『アブラクサスの祭』が映画化され、時々町の中で撮影が行われています。
福聚寺は臨済宗妙心寺派で座禅会もあるとか。新座市の平林寺も同じ臨済宗妙心寺派です。芥川賞作家としては五味康祐さんが大泉学園町に住んでいました。

田部井淳子さん
　女性で世界初エベレスト登頂した方です。田村高校出身で三春にあった石橋印刷会社の娘さん。70歳近い今も常に挑戦しているようです。登山家として時々テレビに出ていますがとても気さくなおばさん。Ｍ子の義姉のお友達です。
新座では富士山に500回以上登った元立教高校教師大貫金吾さん。どちらも超人的な登山家ですね。

さくら湖
　滝桜の近くにあるダム湖。周りは四季を問わず美しい景観が楽しめます。桜の公園もあり秋にも秋咲きの桜がちらほら。三春のお菓子にも｢さくら湖｣があります。Ｍ子の孫娘の名前も桜子です。
桜染めの布や毛糸で作った｢さくら子ちゃん｣は、ねりコレ｢学園桜染シリーズ｣ライン工房のオリジナル。

三角揚げ
　三春の名物ですが、私たちは大人になるまで油揚げは三角だと信じていました。大人になってほかの地で四角い油揚げを見たときはびっくり。三春で育った人はみんなそうだと思います。今はスーパーでどちらも売っていますが…こんがり焼いてしょうゆをかければ酒の肴、ふきのとう味噌やゆず味噌など季節の味を添えても美味。「ほうろく焼き」という昔から伝わる地元料理でもあります。
ぶんか村エリアの油揚げは四角(長方形)です。そこで編集部近くにある神宮豆腐店の店主比留間辰雄さんにお願いして、三春のような三角形の油揚げ作りに挑戦していただきました。出来上がった三角形の油揚げがとてもかわいかったので、３月１日から３日までの３日間読者のために特別製造してもらうことにしました。「雛いなり」を作ってひな祭りをお祝いするというのも楽しそうです。１枚40円。比留間さんの奥様は福島県中通りの出身で、やはり油揚げといえば三角形だったそう。

新座市栄５-10-５　TEL：０４８-４７９-２９１８

中郷(なかざと)小学校
　滝桜の近くの小さな小学校ですが、昨年若田光一さんと宇宙旅行をしてきた滝桜の種が届けられました。子どもたちの手で半分植えられ大切に育てられています。あとの半分はこの春植えられるとのこと。発芽率が少ないことからとても神経を使っているようですが子どもたちの思いで何とか育ってほしいです。春には私たちもおじゃましようと思っています。

トピックス
　私たち田村高校文学部の先輩である宗像哲夫氏が、この１月北九州市の自分史文学賞の『滝桜に会えたから』で大賞を受賞しました。快挙です！母宏子さん(92歳)の半生を執筆したもので、６月には単行本になります。
おめでとうございます。出版されたら、本紙でも紹介させていただきたいと思います。

二人からのメッセージ
Ｋ子とＭ子の三春のご案内、もっともっとご紹介したいことはありますが、少しでも三春に興味を持っていただければ幸いです。どうぞ４月には日本一の三春滝桜を観に来てください。
三春へのアクセス
〈車〉東北自動車道(東京→郡山ＪＣＴ→郡山東ＩＣ)で約３時間
〈ＪＲ〉東北新幹線(東京→郡山)で約80分。郡山から磐越東線で三春まで15分。

←このマーク部分は編集部コメントです。
Ｋ子さん・Ｍ子さんご協力ありがとうございました。

<タウン>
和光に新規オープン、そば処「一心(いっしん)」　　 　
　コスモパックの松岡さんがおそば屋さんに転じました。趣味が高じてそばソムリエになってしまった結果の開店。こだわりのそば粉を用い、最上の機械を導入して打った自家製麺を提供、｢近々手打ちも始めます」。おすすめは、紋甲イカのかき揚げが入った温かいつゆで食べるボリューム満点のネギせいろそば。豚肉入りのつゆでも味わえます。700円。丼とのセットメニューもあります。もりそば･もりうどんの「大盛り」はサービス！ ｢一つ一つ真心こめて作る｣、だから「一心」。
和光市南1-10-29 048-467-3804 11:00〜15:00 17:30〜22:00 火休　
駐車場有(大鷹ラーメン前) 大泉学園駅⇔成増駅バスで｢南大和｣下車

<コンサート>
第７回だいこんブラス定期演奏会　
年々実力を発揮、街に溶け込んでいる｢だいこんブラス｣の待ちに待った楽しい演奏会。今年も驚くべき趣向で会場を沸かせます。何が出るかはお･た･の･し･み！ プログラムは…
<1部>吹奏楽曲(栄光をたたえて・カンタベリーコラール他)
<2部>映画音楽特集（シェルブールの雨傘・慕情・踊り明かそう・Shall we dance?・ディズ二ーメドレー）
<3部>紅白歌合戦 昭和40年代風 除夜の鐘も鳴らします！
「アニメプロジェクトin大泉」と同日開催、協賛企画。
練馬区教育委員会後援　3/７(日) 13:30〜 入場無料 大泉中学校体育館(大泉学園北口から7分)　※情報欄参照

<お知らせ>
「boulangerie(ブーランジェリー) repos(ルポ)」が再開しました！
隠れ家のパン屋さん、ブーランジェリー・ルポが1月7日に再オープン。水・木・金11:00〜19:00 、土・日10:00〜19:00　大泉町1-47-11 03-3923-7860 　※当ホームページに地図有

<映画>
『こつなぎ』上映のお知らせ
この映画は、今から40年ほど前に山の入会権をめぐって裁判を闘った「小繋事件」の村のお話です。小繋は岩手県の北部にある小さな山村で、山の薪や山菜によって暮らしを立てていましたが、山地主が山の利用を禁じたために、それでは生きてゆけない…と訴訟を起こしたのです。その当時撮影されたフィルムと今の小繋村の映像とで、この映画が作られました。現在の山村は昔とは違います。当時闘った村の人たちも年老いました。ここには小繋の人たちが懸命に生きた姿が描かれていて、人間のいとおしさ、素晴らしさに感動させられます。この映画は昨年度の「山形国際　ドキュメンタリー映画祭」で特別招待作品に選ばれました。（村林)
3/13(土)御茶ノ水･全電通ホール(千代田区神田駿河台3-6) 11:00･14:00･17:00の３回上映　当日券￥1800 前売券￥1500 03-3555-3987　「こつなぎ｣上映実行委員会　　　　※情報欄参照

<本紙企画>
藤沢周平作『花のあと』朗読会
　『山桜』に続き藤沢作品を読ませていただくことになり、このご縁に心から感謝しています。いずれの主人公も桜の下で運命の出会いをします。本当にいいお話で、自分で読んでいても泣けてしまいますが、『花のあと』では笑える場面のあるところがいいですね。特に才助が登場すると場が和みます。この物語は会話が多いので、役柄や心情に合わせて声色を変えるのに苦心しました。人物像を想い描き、その時々の気持ちを把握しながら声を創る作業は、実は歌曲を練習する過程とまったく同じで、一番面白いところです。登場人物の人柄を生き生きと伝えられたらと思います。読んでいる私の頭の中では新鮮な映像が見えています。皆様もぜひ情景を想像しながらお聞きください｡(梶取さより) 　2/18(木) 13:30 平林寺睡足軒(新座市野火止1-20-12 平林寺バス停から1分) 定員30名 会費制 ※情報欄参照