今年の４・５月号エッセイに登場した日仏文化交流コーディネーター郡山アヤ子さんの案内で、フランスのメッス市を訪ねました。目的はもちろん文化交流。その模様を報告します。

この文化交流の起こり
　郡山さんが、アソシエーションメンバーのウラ・ボノラさんと２００１年９月からメールで生活全般の文化交流を始め、翌年メッスでのアソシエーション主催「日本の夕べ」に参加。日本料理のサービスや茶道・居合い道・琴等のデモンストレーションを体感。地元民150人と市長、それに日本領事等と交流しました。翌年も夕食会に参加し、食事のほか風呂敷の包み方を披露。その後日本人作家達と年１回訪問し、日本舞踊、津軽三味線、着物ショー、折り紙、書道、茶道、華道、琴演奏といった日本文化を紹介してきました。元々日本に興味を持っているフランス人グループだけに来日するメンバーも増え、日本文学を読んでディスカッションしたり、学校で日本料理(寿司)や折り紙の講習会を開いたり。その日本文化を紹介する活動が認められ、代表のジゼルさんが、昨年３月にパリの日本大使館で活動報告のスピーチをしたそうです。

メッス　ＭＥＴＺ
　パリから東へ、ＴＧＶで １時間20分。キッシュで有名なロレーヌ地方の一都市、そしてヴェルレーヌの生誕地。駅舎(写真左上)は世界遺産にノミネートされている古いドイツ建築で、最近では日本企業も進出、日本人建築家坂茂氏デザインのポンピドー別館(写真右)が５月にオープンしたばかりです。ダウンタウンにある川を一部堰止めた場所に立つ赤い鳥居は、元細川首相が熊本県知事の時に世界知事会議がメッスで開催された際に寄贈、町の観光ポイントとして絵葉書にもなっています。ほかにフジテレビ寄贈のロケット型モニュメントがポンピドーセンター裏の公園に聳え立つなど、日本とは数々のご縁があります。

ジャパン・ウイーク（日本文化紹介週間）
　メッスニハ日本文化を紹介する２つの大きな団体があり、今回はその一つとの合同開催になりました。催しの名称は「Les Amis du Japon(レ・ザアミ・ドゥ・ジャポンは「日本の友達」の意)＋９人の日本人作家」で、２０１０年10月19日から24日まで作品の展示およびワークショップが行われました。貝合わせの女性作家が先行展示していて、我々一行は23、24日の２日間の参加です。

Centre.socio-Cuｌturel la Louviere-MARLY　
　会場は、マルリー市セントラルソシオ・ルビエール文化センターで、ほかにもCinema MARLYMAGES（シネマ・マーリーマージュ映画館）では23、24日の両日、日本映画が上映されていたということです。

９人の日本女性たち
　一行９名は、南画、書、折り紙、歌、着付、生け花、人形、桜もち、祭りすしなどを披露しました。
　通訳は、現地在住の安部祥子さん、民子さんなどご主人がフランス人の女性たち。こうした応援があってこのイベントが成り立っていることを実感。歌の伴奏はゆう子さんでした。

日本といえば「桜」です
南画も歌も桜、桜、桜…桜なくして日本は語れません。日本から持参した材料で作った桜もち200個も「セ・ボン」と好評でした。

初めてのホームステイ
ティリヤーさん、ウエーバーさん、シャールさん、ボノラさんのお宅にそれぞれ分宿。温かいおもてなし、特にキッシュはじめ郷土料理、デザートなど最高、ワインやコーヒーのおいしさ、もてなし方、住まい方などには感動することしきり。みなさんとても親切で、言葉の壁も乗り越えながら２泊３日お世話になりました。(写真はウエーバーさん宅)

※本特集を編集するに当たり、ご協力をいただいた郡山さん、ホストファミリー、現地の方々、同行の方々に心より御礼申し上げます。

絵本
クリスマス･ドロップ　ミクロネシアの島の天使たち
　電気も水道もないミクロネシアの小島での実話。58年前、米空軍の気象観測機が島の上空を飛行中、島民が飛行機に手を振るのを見て、身近にあったチョコや衣類を箱に詰めパラシュートで落下させたところ大層喜んだので、翌年､翌々年とパラシュートプレゼントが続き、これが「クリスマス・ドロップ」と呼ばれるように。島の子が心待ちにするこのイベントは、当時空からのプレゼントに心躍らせた少年が成長し奉仕活動として取り組み始めたもの。
読むとクリスマス・ドロップに協力したことになるチャリティ絵本｡「いとこが代表で作ったので」と新座栄の堀田由紀子さんから情報をいただきました。企画：東京立川こぶしロータリークラブ けやき出版(042-525-9909)刊　本体952円(税別)

トピック
小組曲『息子よ』
「三年坊主のお正月」｢ふうせんかずら｣「息子よ」の3曲を収めた歌曲集を出版したのは新座市在住の瀬下温子さんと斎藤静枝さん。息子を若くして亡くした斎藤さんを励ますため、瀬下さんの夫である作曲家健二さんが作詞を勧め、曲をつけました。その健二さんも5年前に他界。亡き二人への追悼を形にしようと共同出版しました。深い愛と悲しみに満ちた3曲。楽譜は800円ですが、｢歌ってもらえるなら贈呈します」とのこと。来年6月にコンサートも予定されています。
音楽｢オルゴール｣｣刊 A４判 40頁　
問合先:042-423-1641瀬下

トピック
探検　和光遺産すごろく
和光市に大人用のガイドブックはあっても子ども用のがない。ならば作りましょうと、NPO法人「和光・文化をはぐくむ会」代表の鍵和田美津子さんが生涯学習の資料を参考に、イラストをやぐちゆみこさんに依頼してこの秋完成させたのがこの「すごろく」。ガイドブックとは一味違って、遊んでいるうちに自然とわが街のことがわかってくるのがおもしろい。すごろくといえば昔から福笑いとともにお正月につきものの遊び。だからこの冬 学校で、家庭で､地域で､仲良く遊んでみるとよいのでは？すごろくは、新倉ふるさと民家園で無料配布しているほか、送料を添えて申し込めば送ってもらえます。和光市下新倉2-33-1　048-467-7575

タウン
「野火止茶屋」で「野火止漬」を
　野火止わいんで知られる新座のおぎはら酒店の店主荻原耕之進さんご自慢の酒肴は｢野火止漬｣。材料に新座産のニンジンとネギ、最高級スルメを使い、ちょっとピリ辛。テイクアウトもでき、店内新設の｢野火止茶屋｣でも味わえます。試食販売するとあっという間に売り切れてしまうヒット商品｢野火止漬｣を手作りしている奥様が実はソムリエ＆チーズプロフェッショナル。得意のピザにサラダ、デザート、コーヒーが付くランチは980円、グレードアップメニューでも1100円。茶屋は「10名程の会食にもぜひご利用を」。
新座市野火止6-24-22　048-477-3438
11:00〜21:00　日曜定休　駐車場有