■特集 ハタザクラの街で



 プチぶんか村は、2003年の「わたしのおひなさま展」を皮切りにさまざまな展覧会を催してきました。美術・工芸にとどまらず、文学、建築、音楽といった数々のジャンルを抱き合わせ、商店、企業にも参加いただき同じテーマの下に制作するという画期的な展覧会です。なかでも「さくら展」は今年で6回目。世界的にも珍しいという「チョウショウインハタザクラ」のお膝元、志木のギャラリー・スペースMで開催しました。
 ところで、このたびの「桜の街のさくら展〜ハタザクラの街で〜」の会期終了から実に3日後、3月11日に、東北関東大地震が起こりました。空前の被災者を出した災害に、いまだ重苦しい空気が漂っています。
 その影響もあって、今春はあちこちで桜祭りが中止となりました。本紙では、先日行われたさくら展を紙上に再現し、読者のみなさまに元気を出していただこうと思います。
 被災地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

ギャラリー・スペースМ 
 会場のギャラリーは、新河岸川の船運で栄えた引又宿の名残をとどめる志木市中心街、本町にあります。昨年里神楽の展示に協力したご縁でさくら展開催に至り、奈良・三浦姉妹には大変お世話になりました。


←旧家を改造したモダンなギャラリー


 三浦さん      奈良さん

出展者の顔ぶれ
 このさくら展は、当初国立埼玉病院にボランティア展示している作家仲間「道の会」から発したものですが、ふたを開けたら20人もの参加と大層賑やかになりました。
 「道の会」からは、さくら展皆勤賞の押し花作家奥文子さん、和光の今昔写真でおなじみ足立惠一さん、絵本作家斎藤静枝さん、織物作家木野村比呂子さん、水彩画の佐藤健一さん。
 ほかに前号特集「一本の桜の木」で紹介したバティックペインターの永原リタさん、フランスで南画を披露してきた鶴岡美智子さん、トールペイントの本多芳子さん、書家の本橋洋子さん、木工の村上潤さんと菊地吉紀さん、粘土の竹田恭子さん、バングルの金井雅之さん、イラストレーター大崎めぐみさん。それにお菓子屋さん代表として和菓子の大吾さん、洋菓子のナカタヤさんが協力してくださいました。日本緑茶センター株式会社、だちょう牧場並木屋からの参加もいただきました。

作品の画像はHP(ホームページ)で
 桜の作品はどれも目を見張るほどのすばらしさ。地元志木市の遠藤典弘さんがギャラリーのHPに画像をまとめてくださいましたので会場の様子はカラーでご覧ください。チョウショウインハタザクラについても説明しています。
http://seseragi.michikusa.jp/bunkamura0303.html



跡見学園女子大学 
  新座キャンパスの桜

大学の協力を得て会場に「構内サクラガイド」を設置し、パネル展示をしました。スザク、アラシヤマ、ミクルマガエシ、コウダイジ、タオヤメ…耳にも優雅な桜の多くは、1965年に高山雄三郎氏が京都の佐野藤右衛門氏の苗園から取り寄せ寄贈したもの。咲き誇る様はたとえようもありません。多くのお客様の関心を集めていました。


和気藹々、桜描く講習会
3月6日(土)に2つの講習会が開かれました。鶴岡美智子先生による南画の講習と、本多芳子先生によるトールペイントの講習。どちらも「初めて体験したにしてはなかなかの出来ばえ」とみな満足そうでした。

雪が降っても遠くから
 7日は雪。それでも駆けつけてくださった方々がいました。感謝多謝!
桜もち ふたたびフランスでは200個作った桜もちを、「食べたい」コールをいただいて50個作りました。日本でも好評。








はたざくら カッピーコロッケ

 さすがハタザクラの街。中身が桜色のコロッケが!ギャラリー近くのお肉屋さんで1個100円。

世界へはばたく桜たち 
 宇宙へはばたいたスイートサクラティーの発案者、日本緑茶センター鰍フ北島社長様からのお声がかりにより、参加作品の中から南画とトールペイント、それに同時開催していた笠美日さんのワイヤーアート作品がアメリカワシントンDCで行われる桜祭りに参加することになりました。さくら展が世界へ…。とても夢のふくらむ話題です。

映画 『津軽百年食堂』4/2〜
 お笑い芸人オリエンタルラジオの2人を主演とする映画。アッちゃんにご縁を感じる編集部は、この映画を応援するために弘前まで行き、モデルとなった食堂を訪ね、津軽そばを味わってまいりました。原作は森沢明夫の小説『津軽百年食堂』。故郷への複雑な思いを断ち切れない青年の心の成長を描いています。創業100年、老舗蕎麦屋の長男陽一は家業を継がなかった事に対する後ろめたさを捨てきれない。が、家族のピンチを機に故郷と向き合う事で進むべき道を見つけていく…。故郷を離れ住む人には望郷の念が湧き起こる作品。共演は福田沙紀、伊武雅刀、藤吉久美子ほか。監督は『わが心の銀河鉄道〜宮沢賢治物語』でも東北を描いた大森一樹氏。

CD 津軽三味線「六つの花」
むつのはな〜津軽にふる雪〜

 エッセイ保村雪山さんのアルバム。津軽じょんがら節、あいや節、わらべ唄など9 曲と方言詩集「雪女・まるめろ」より北国の春などが収められています。ジャケットはりんごを手にした雪山さんの優しい表情が印象的。\2300(税込) Fax048-478-8296 

追悼コンサート 歌曲集『息子よ』の練習風景を取材
 目下新座市中央公民館で練習が行われています。「三年坊主のお正月」「ふうせんかずら」「息子よ」の3曲は深い愛と悲しみに満ちあふれ、午後の日差しの中、静かに歌声が流れていました。6/11(土) 練馬文化センター
042-423-1641瀬下 ※情報欄参照

文化催事 読み語りサロンin和(なごみ) 4/25 
 声楽家で朗読家の梶取さよりさん(東大泉)をゲストに迎え、宮沢賢治の『よだかの星』と川尻(新座市)が太宰治の『竹青』を読み語りします。よだかは鷹、竹青は烏の話で2作とも鳥のお話。みなさんをメルヘンの世界へといざないます。東北ゆかりの2作家2作品に地震で亡くなられた方々への追悼の気持ちも込めます。地域の方々を元気にする場所「こみゅにてぃさろん和(なごみ)」の店主様からのお声がかりで始めたこの会もはや9回目。毎月最終月曜日の公演に常連さんも増えています。よい作品を楽しんでいただけるようがんばりますので、耳と心の栄養補給にぜひご来場ください。
(川尻亜美) 「和」へは大泉学園駅南口から2分 03-3924-5504

災害時良品 新座発 簡易トイレ「便利エース」
 災害時に必要不可欠なもの、それは食料・燃料・医薬品に加えトイレでは?ゴルフクラブ発送用の箱を製造している(有)スプレー工芸社の仙石平助社長は、2年前に災害時や入院時、それに工事現場等で使える頑丈なオリジナルトイレを開発しました。特殊ダンボールを使用し、80kgの人でも耐えられる堅牢なつくり。組立て式で便利袋と凝固剤が付いています。ダンボールが壊れるまで何度でも使えるため、避難所などで有用。
募金をトイレ購入と輸送費に当てることができたなら…。被災地にこの簡易トイレを送るというのも支援になると思います。2100円(送料別)
新座市大和田3-11-25 048-479-0152
http://www.splay.co.jp/newpage4.htm


  

■ぶんか村エッセイ(67)

津軽へのいざない
保村雪山 (津軽三味線奏者 新座市在住)

<プロフィール>
やすむら せつざん 1949年青森県五所川原市生まれ。津軽三味線奏者故高橋竹山に青森で手ほどきを受ける。その後高橋栄山に東京で習い継ぎ雪山の名を許される。又他の民謡を藤本流師範、故藤本秀喜美に師事、藤本喜美雪の名を許される。
http://members.jcom.home.ne.jp/setuzan/


 関東でも毎年1度か2度、2月末頃から3月初めにかけて雪が舞います。故郷津軽を思い出し、カーテンを開きただボーと見入ってしまいます。後から後から舞い降りる雪に心がじゃわめき(津軽弁で躍るの意)ます。
 ねぶたの祭り太鼓を聴いた時も同じように血が騒ぎます。一瞬にして、町内の小さなねぶたの綱を引いていた幼い頃の感覚が甦ってきます。
 新座市に移り住み、こちらでの暮らしがずっと長くなっているのに、へその緒が繋がっていると感じる時です。
津軽への思いは両手に余る程あります。
 私がやっているライブのタイトルは「津軽へのいざない」です。故郷津軽の事を皆様に少しだけ深く知って頂きたくてこの題名を付けました。津軽弁で語り、三味線を弾き、民謡をうたい、故高木恭造の方言詩集"まるめろ"を朗読しています。津軽三味線と聞くと思い浮かぶ、勇壮で豪快な舞台のイメージとは少し内容が異なります。
私は津軽三味線奏者、故高橋竹山に青森で手ほどきを受けました。普段はユーモアのあるおじいさんという印象ですが、一旦三味線を弾き始めると、その音色にたちまち心を奪われてしまいます。
竹山は津軽民謡の父と呼ばれた、故成田雲竹の唄の伴奏をなさっていました。津軽民謡の真髄を極めた先生にご縁を頂いたお陰で、津軽の唄の背景にある暮らしの事を考えたり、元唄を残しておきたいと思いました。僭越ながら、それを次なる世代に伝える役割を託されたような気がしています。


 
■ぶんか情報

新座市民会館
〒352-0011 新座市野火止(新座市役所そば) 048-481-1111
●スーパーコラボレーション「天地人」上映会 4/10(日)入場無料 1430 新座市文化協会主催 里神楽上映と講演 090-8109-2083石山

大泉学園ゆめりあホール・ギャラリー
〒178-0063 練馬区東大泉1-29-1(大泉学園駅北口)03-5947-2351 www.city.nerima.tokyo.jp/
●春風によせて4/2(土)\2000 1900 出演/井出惠子 小川園江 山崎陽子「ふるさとの四季」「樹木の陰で」他 048-479-2095公演中止
●平和の陽だまりの中で〜シンガーソングライター久保田啓子と仲間たち「語りと歌の夕べ」4/13(水) \3000 1900 090-3408-0310
●佐々木真門下生による第10回発表演奏会「フルートの楽しみ」 4/16(土) 入場無料 1500〜1900 048-477-1313 みゆずメソン

練馬文化センター
〒176-0001 練馬区練馬1-17-37(練馬駅北口) 03-3993-3311 www.city.nerima.tokyo.jp/
●錦織健〜魅惑のテノール・リサイタル〜 5/20(金) \S4000 A3500 1900 オペラアリア「星は光りぬ」日本の名曲「荒城の月」など
●瀬下健二(七回忌)追悼コンサート 6/11(土) \2000 1400「時雨の夜に寄す」「辛夷の花」「息子よ」ほか 042-423-1641 ※記事参照

T・ジョイ大泉 シアター
〒178-0063 練馬区東大泉2-34-1(オズスタジオシティ4F) 03-5933-0141 www.t-joy.net
●阪急電車片道15分の奇跡 4/29(金・祝)〜阪急今津線電車内を舞台にした有川浩の小説を映画化 出演/中谷美紀 戸田恵梨香 宮本信子
●八日目の蝉 4/29(金・祝)〜 直木賞作家作品待望の映画化 なぜ誘拐したの ?なぜ私だったの? 出演/井上真央 永作博美 

和光市民文化センター サンアゼリア (8月まで休館)
〒351-0192和光市広沢 1-5 048-468-7771 www.sunazalea.or.jp 
●シネサロン・和光上映会「信さん・炭坑町のセレナーデ」 4/22(金) \800(当日1000) 1400・1900  048-465-0331   上映中止

その他のコンサート・展覧会・公開講座など             ●『押し花コンクール』作品展 〜4/10(日) 1100〜1800 東京プリンスホテル(地下鉄大江戸線大門から7分)奥文子出展 03-3260-8611
●ちひろと黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』展 〜5/15(日)\800(入館料)1000〜1700ちひろ美術館(下石神井)月休 03-3995-0612
●「道の会」病院展 4月テーマ『桜』5月テーマ『新緑』 国立埼玉病院(和光市) 押し花・絵画・織物・写真・水彩画 090-6034-3845
●なぞらえ屋〜不思議底七歌〜4/1(金)〜3(日)\4000(当日4500) 時間要問合 前進座劇場(吉祥寺) 原作・脚本/有里紅良 03-3990-5898
●映画『津軽百年食堂』4/2(土)よりロードショー 有楽町スバル座( 03-3212-2826) シネマート新宿( 03-5369-2831)※記事参照
●アール・ブリュット・ジャポネ展 4/9(土)〜5/15(日) \1000  1000〜1730  埼玉県立近代美術館(北浦和) 月休 048-824-0111
●第4回「すぐそこ新座」春まつり4/16(土)・17(日)菜の花まつり・鉄腕アトムスタンプラリー・うどんまつりなど 048-477-1111 開催中止
●学園通りうたごえカフェ 4月休み・5/21(土) \1300(飲物付) 1630 オリエント・ハローズ・コーヒー(双葉幼稚園前) アコーディオン/新井幸子 03-3867-1889
●PLATFORM2011 浜田涼・小林耕平・鮫島大輔-距離をはかる- 4/16(土)〜5/29(日)\500 1000〜1800 練馬区立美術館月休 03-3577-1821
●読み語りサロンin和 4/25(月) \1000(茶菓代)1400こみゅにてぃかふぇ和(大泉学園南口2分)出演/川尻亜美・梶取さより 03-3924-5504
●第35回 2011 日本ホビーショー 4/27(水)〜29(金・祝) \1000 1000〜1700 東京国際展示場(ビッグサイト)27日10時〜本多芳子デモ 03-5530-1111
●赤毛のアン〜グリーンゲーブルスへの道4/30(土)\1000(当日1200)1130・1400さいたま市民会館うらわホール 080-3007-7028中村
●いきいき歌声サロン5/2(月)\1000(茶菓付・要予約)1400こみゅにてぃかふぇ和 講師/梶取さより 愛唱歌をご一緒に! 03-3924-5504
●国立埼玉病院「看護まつり」 5/12(木) 時間未定(要問合) 地域医療研修センター(和光市諏訪2・1埼玉病院内) 048-462-1101
●第25回フェルナンブーコ コンサート5/15(日)\2300 1500朝霞市産業文化センター 硲美穂子(Vn)岡田知子(Pf) 090-4435-7823
●洪成潭5月版画詩展・朗読「ひとがひとを呼ぶ」5/18(水)〜24(火)料金・時間 要問合 ブレヒトの芝居小屋(関町北4-35-17) 03-3920-5232
●春風亭小朝 独演会 5/21(土) \3500 1400 志木市民会館パルシティ(本町1・11・50) http://ameblo.jp/koasa-blog/ 048-474-3030
●写団四季彩「四季の彩り」写真展5/25(水)〜29(日)入場無料900(初日1200)〜1700(最終日1600)花とみどりの相談所(光が丘) 070-5564-4769足立
●第7回「雅・蒼天の会」5/27(金) 第一部「雅の会」入場無料1430 第二部「蒼天の会」\2000 1800 所沢ミューズ 募金有 090-8109-2083
●うさぎの輪「先生と生徒の作品展」 6/1(水)〜28(火) 平日900〜1500 武蔵野銀行新座南店ロビー(新座市野寺2-8-1) 048-479-0170


編集メモ
 しんねんどを迎えてもなかなか希望が持てないような昨今です。でも、こんなときこそ笑顔を忘れずにしっかりと地域文化を支えて行かなくちゃ…と自らを励ましつつ編集した記念すべき号です。

プチぶんか村設置箇所
・大吾        ・堀田ピアノ教室  ・藍学舎
・梅の大谷      ・たまてばこ    ・ナカタヤ
・みゆずメソン    ・青樹舎硝子工房  ・夫佐子はな
・法台寺       ・くりけ      ・満月
・ひまわり美容室   ・クレセント    ・フエゴ
・新座交響楽団    ・工房まどい    ・レストランテさかい
・オリエントハローズコーヒー       ・あわ家惣兵衛
・国立埼玉病院    ・青山フラワー   ・片山農産物直売所
・ルジャンボン    ・ローレライ    ・スペース陶
・松崎医院      ・だいこんブラス  ・田中屋酒店
・切り絵ギャラリー&手打そば野田     ・石崎英数教室
・ニューアマンド   ・クロシェットドゥボワ
・近藤食品      ・うさぎの輪    ・きもの処つるや
・だちょう牧場並木屋 ・草の実文庫    ・学園薬局
・藤沢皮膚科     ・酒のおぎはら   ・ポラン書房
・ルボンボンマルシェ ・りゅうの会    ・イズミアート
・ギャラリー北鎌倉物語・クリアライフ   ・うどん亭
・ギャラリーFUURO   ・抹茶そば陣屋   ・フェルナンブーコ
・新座三曲会     ・写団四季彩    ・花と美登利
・こぐれ村      ・目白大学     ・花蹊記念資料館
・紫織屋       ・一心       ・シネサロン和光
・和光文化をはぐくむ会・工房上弦の月   ・武蔵野楽器
・こみゅにてぃかふぇ和(なごみ)      ・ギャラリースペースM
・紗耶加人形     ・石神井ファーマーズセンター
・若草会 ☆練馬・朝霞・志木・新座・和光の各公共施設


制作協力スタッフ
  北口雄輝 丸木ますみ 岩下曜子 土井久代 杉山英明 早川緋紗 宇杉


 
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