昨夏の「妙音沢特集」でも触れた「ミョウオンサワハタザクラ」は昨年発見された新座市特有の桜です。ハタザクラといえば、志木には世界で一つしかないといわれるチョウショウインハタザクラがありますね。今年の春はこれら二つの珍しいハタザクラでお花見というのはいかがでしょう。

チョウショウインハタザクラ
　このハタザクラは「ヤマザクラ」の一種。１９９３(平成５）年10月６日、志木市文化財に指定されました。｢櫻の科学」(日本櫻学会編･第10号２００３年版）に小紙による情報が掲載され、ウィキペディアにはその内容が引用されています。
　チョウショウインハタザクラは推定樹齢400年、幹まわり約３ｍ、高さ約11ｍ。比較的大輪の五弁一重の花の中に雄しべが変形した１〜２本の旗弁（きべん）があることから｢旗桜（ハタザクラ）｣と呼ばれます。かつて存在した長勝院の跡地にあるため｢長勝院の桜｣と愛称されていたのが名称の由来。開花期は毎年異なり、ソメイヨシノよりは若干遅れて咲くことが多いようです。見ごろについては志木市ホームページで確認を。
http://www.city.shiki.lg.jp/
電話での問合せは同市教育委員会生涯学習課まで
０４８-４７３-１１１１

アクセス
　東武東上線柳瀬川駅から徒歩10分。駅や駅前交番に案内マップを設置。角々に看板が立てられるので迷わずたどりつけます。
志木市柏町３-１１３８-１
　ところで志木市環境教育推進員ほかロータリークラブなどがボランティアで原木監視や開花時期の説明ガイド、若木植樹などに取り組んでいます。また、街おこしとしては「はたざくらまんじゅう」｢はたさくら最中｣「清酒はたざくら」などを開発・販売。それらもまた志木市の名物となっています。若木は原木そばのほかに志木市役所、いろは遊学館、市民会館パルシティにあり、志木駅近くではマルイに向かっていちばん右、駐車場近くで観賞できます。

ミョウオンサワハタザクラ
　新座市東部、都県境に近い「新座栄」バス発着所から市場坂を下り、市場坂橋脇のこんもりとした森に入るとそこは本紙通巻87で特集した湧き水で有名な｢妙音沢（みょうおんざわ）」。黒目川に沿ったその急斜面に、優雅な桜が一本見つかりました。地元では以前から「珍しい桜がある」と話題になっていたそうですが、その桜がミョウオンサワハタザクラと命名されたのは昨年春。推定樹齢45年、高さ約10ｍ、幹回り約140�p、志木のチョウショウインハタザクラがヤマザクラの一種であるのに対し、ミョウオンサワハタザクラはオオシマザクラ系統の「ウスガサネオオシマ」に属し、鳥の落し物から芽生えた実生 (みしょう)の桜としては珍しい例だということです。チョウショウインハタザクラの旗弁が１〜２枚であるのに対し、こちらは５枚と多く、真っ白な花びらが二重になっているように見えるのが特徴。しかもほとんどの花が二重に咲くため、肉眼で確認することが容易です。とにかく左の２枚の写真を見るだけでもこの桜の美しさがわかるでしょう。

写真右・新座市提供
写真左・大山正數氏提供

大山正數さんの話
　ミョウオンサワハタザクラを特定するのに尽力された樹木コンサルタントの大山正數さん（84歳・新座市在住）にお話を伺いました。
　「私は十数年前から雑木林に関心があり、『新座の古木』という本を仲間とともに編んだこともあるのですが、一年半前に珍しい桜があると聞いて妙音沢に行ってみました。葉の縁にはギザギザがあり、オオシマザクラに似ているなと思い、ボランティアグループ〈緑の巡視員〉からも同様の感想を得たので、なんとか専門家に調べてもらいたいとありとあらゆる手を尽くし、たどりついたのが公益財団法人〈日本花の会〉でした。連絡を取ったときに応対してくれたのは結城農場長の田中秀明さん。現物を見ればわかるというので早速花のついた枝を３本タッパーに入れて送りました。忘れもしません、田中さんより結果報告があったのは４月２日。オオシマザクラの３つの品種のうちの一つで、新種とのこと。最高にうれしかったですね。即刻市長に報告したところ市長も大層喜んでくれました。そんなに珍しい桜なら…ということで保護対策も取られ、枯れないよう囲いができました。今は「みょうおんざわ」と濁りますが、昔は「みょうおんさわ」と呼ばれており、伝説の地でもあることから昔の呼び名をとってミョウオンサワハタザクラと命名されたのです。いい名前だとは思いませんか？こんなに美しい桜は滅多にありません。うっとりするほど優雅です。ですからたくさんの人に見てもらいたいです。ただ、根が地面から出ている部分もあるので、見学するときは絶対踏まないように願いたいですね。ソメイヨシノより早く咲くだけに花期を逃さないようにしてください」。
開花情報については、新座市みどりと公園課へ
０４８-４７７-１１１１

アクセス
　西武池袋線は大泉学園駅南口から新座栄行バスで終点下車。東武東上線朝霞駅からも本数は少ないものの新座栄行が出ています。ひばりが丘や朝霞台から新座高校前を通るバスもありますが、時刻をよく調べてから出かけましょう。新座栄バス発着所から桜まで徒歩２分。駐車場はありません。

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<サンアゼリア>
「蘇る幻の名器 曜変天目茶碗」公開展　
　鎌倉時代に日本に伝来し、世界には三碗しか現存しない幻の名器「曜変天目茶碗」。その玉虫色の美しい輝き…焼成過程は長きにわたり永遠の謎といわれてきました。今回は物理化学者の安藤堅氏が究明・再現した現代版曜変天目茶碗を展示し、関連する映像作品の上映やギャラリートークも併せて行います。2/27〜3/1　090-4542-7948(実行委員・長谷見）※情報欄参照　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
<さくら>
跡見学園女子大学の桜まつり　3/28(土)
　40種類、180本以上の桜を誇る跡見学園女子大学新座キャンパス。恒例の桜まつりは誰もが参加できるお祭りで、体験会や図書館・資料館での展示、校庭テントにおける食品・手工芸品の販売等がお楽しみ。桜の開花期間は、特定日を除き５月中旬頃まで構内を一般開放しています。
048-478-3333※情報欄参照

<医療>
唾液ですい臓がん・乳がんを早期発見！
　附属大泉中に通っていたことから「大泉学園には懐かしい思い出がいっぱい」と語る砂村眞琴医師は、縁あって2006年大泉学園町にある大泉中央リニックの院長に就任。地域医療や福祉活動に携わって20年になります。専門は消化器外科。地域診療に尽力する一方で、最新医療にも寄与され、目下の研究はおもにすい臓がんの早期発見。自覚症状がないため見つけ難く、わかった場合でも生存率が極めて低いとされるすい臓がんですが、砂村チームの研究成果により唾液による簡単な検査でがんの有無がほぼ判定できるようになりました。現在治験中で、同クリニックでは胃の内視鏡検査を申し込めばセットで唾液検査が受けられます。大泉中央クリニック：学園町6-27-2　03-3923-5678

<スポーツ>
練馬こぶしハーフマラソン3/29(日)
　練馬区で初めて開催される大規模なハーフマラソン大会。ゲストランナーに仁川アジア大会銅メダルの川内優輝さん、数々の大会で優勝経験のある現役ランナーの谷川真理さん、ゲストにお笑いのテツandトモさんらを迎えるほか、スタート・ゴールとなる都立光が丘公園では各種PRブースやゲストランナーによるトークショーなど楽しいイベントが盛りだくさん。普段は車でしか通れない笹目通り､目白通り､環八通り､川越街道の主要幹線道路がコースになっており、非常に魅力的である一方、交通規制が実施され、一部の路線バスでは一時運休や迂回運行が予定されています。規制中は歩行者のコース内の横断などは制限されるので注意が必要です。こぶしや桜の咲く春の一日、皆様の協力、応援ですばらしい大会となりますように。J：COMによる生中継も予定されています。大会公式ホームページ　http://www.nerima-halfmarathon.jp/

<イベント>
ねこフェス in 石神井公園2015　 2/6〜18
　不動の人気を保つ｢猫｣。昨年から石神井公園で「ねこフェス」が始まりました。ニャーニャーニャーの2月22日猫の日を前に、スタンプラリーしながら商店街をぶらぶら。各店舗で行われる地元アーティストによる猫作品(絵画・彫刻・手工芸など)の展示を見て、買い物も楽しむ…といったニャンとも素敵な趣向。公募展のお披露目や着ぐるみウォーキングアウト､ワークショップ､ライブも。
猫好きにはたまらないニャ〜｡ 03-3996-7419(土屋)