■特集 夏よ!


 NHK連続テレビ小説『なつぞら』は、草創期の日本のアニメーション界を支えた女性アニメーターの物語で、今まさに東洋動画を舞台に繰り広げられている。東洋動画は東映動画つまり東映アニメーションのこと。大泉にあるアニメの聖地だ。
 そこで、今回は15年ほど前に「アニメフェスティバルin大泉」の実行委員としてご一緒した村松錦三郎さんに東映動画時代のお話を伺った。

村松さんに一問一答
――ドラマのヒロイン奥原なつは、アニメーターを目指して北海道から東京に出てきましたが、村松さんが東映動画に入社したきっかけは?
「高1のとき郷里の岐阜県瑞浪市で『白蛇伝』を見ていたく感動しましてね。感想とかアニメの仕事に就くにはどうしたらよいかなどを手紙に書いて何度か東映動画に送ったんです。そしたら熱意が伝わったのでしょうか、入社試験を受けてみないかと誘われまして…。絵を描くのが好きでしたから念願の会社に入社できてうれしかったですね」
――なつさんとどこか重なりますね。ところで初めての仕事は?
 「『わんぱく王子の大蛇(おろち)退治』に動画担当として関わりました。以来アニメーターとしてやってきました。高畑さんが初監督をした『太陽の王子 ホルスの大冒険』にも参加。この時は作品のほかに宣伝用のスライドも作りました。
――高畑さんは今「高畑勲展」が開催されているほど有名ですが…
 「そうですね、仕事面では大変厳しかったけれど、心優しい方でした。労働組合の副委員長として運動の柱を作る討議の中核を担い、疑問や困難がある人には丁寧な助言や支えをしてくれました。ドラマではイッキュウさんのモデルが高畑さんだと思います」。
――ほかにどんな方と?
 「世界的に有名なスタジオジブリの宮崎駿さんとは机を並べたこともあります。彼とは同い年なんですが、ずば抜けた能力の持ち主といった印象でした。かなりの量をスピーディーにこなすのには驚くばかりでした」。
――ドラマでは染谷将太さんが宮崎さんを演じていますね。登場人物は実在の人物がデフォルメされているみたいですが、誰が誰とわかるものでしょうか?
 「ドラマを見ていると、ああこれは○○さん、あれは××さん、と思いあたりますね。なつは毎日衣装を替えますが、モデルの女性もそうでした。それを毎日スケッチする人もいた…(笑)」。
――ドラマと実際の違いについては?
 「中庭はバドミントンができるくらい広かったですよ。職場についてはドラマよりも人が多く賑やかでした」。
――ほかに懐かしい思い出などがあれば
 「会社のサークルに民俗芸能研究クラブというのがあって、高畑さんや宮崎さんと一緒に徳島の阿波踊りに行きました。とても楽しかったことを覚えています」。
――最後に、アニメーターを職業に選んだことについて 
 「アニメの黎明期に好きな仕事に就き、多くの人に出会い、仕事をしながら成長できたこと、退職してからもアニメに関わっていられることなどを考えると、幸せな人生を歩んできたのかなと」。

現在の活動
 練馬区立石神井ふるさと文化館のサポーターとしてア二メ製作の工程や東映アニメーションの来歴について説明する村松さん。ほかには仲間とともに毎年夏休み最初の土曜日に石神井公園野外ステージで「親子で楽しい野外アニメ上映会」を主催している。来年10回目を迎える人気イベントだ。
今年のプログラムに『くもとちゅーりっぷ』を発見。大泉在住の松本零士さんが「昭和18年、5歳の時 明石の映画館で見た漫画映画"くもとちゅーりっぷ"がアニメを志す遠い触媒となった…」と本紙のエッセイに書いた作品にやっと出合えた。

アニメファンなら大泉へいらっしゃい
 西武池袋線大泉学園駅北口のペデストリアンデッキに「ジャパンアニメ発祥の地」としてアニメゲートが設けられている。『鉄腕アトム』『銀河鉄道999』『あしたのジョー』『うる星やつら』のキャラクターの銅像、映画フィルムを象った『白蛇伝』『鉄腕アトム』『狼少年ケン』等々の「ねりまアニメ年表」など、通りすがりにいつでも見ることができる。キャラクター像との写真撮影もOK。


東映アニメーション
 「東洋のディズニー」を目指すアニメスタジオが発足したのは昭和31年(1956)8月1日。武蔵野の面影を残す地に「ベルサイユ宮殿が現われた」と思った人もいたという。半世紀にわたり、TVシリーズ200 、映画100を超える名作を生み、多くのアニメ関係者を輩出してきた。スタジオ併設のアニメミュージアムは一般公開されている。
入館無料 10〜17時 水曜定休 東大泉2-10-5
大泉学園駅から歩いて15分


高畑勲展
〜日本のアニメーションに遺したもの〜

 戦後日本のアニメーションの礎を築いた高畑さんの東映動画時代はもとより1970年代の『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』、80年代の『じゃりン子チエ』『セロ弾きのゴーシュ』『火垂るの墓』、遺作『かぐや姫の物語』までを展示。氏の創造の軌跡を紹介する。東京国立近代美術館で開催中。10月6日(日)まで 1500円
10〜17時 月曜休館




<タウン>
国木田独歩像「木々と語る日」
 

エッセイの峯田義郎さんが制作したブロンズ像はこちら→

新座市立図書館前の屋外に立つ。実像よりハンサムなこの像は、市内で鉄工所を経営していた嶋根岳雄さんが制作を依頼して市に寄贈した。「雑木林とせ
せらぎのあるまち新座」にふさわしい像だ。独歩の碑は三鷹駅北口と玉川上水桜橋のたもとにあるが、立体像はこれが唯一だという。





<東京演劇アンサンブルより>
新座移転のご案内

 東京演劇アンサンブルは、1980年より約40年間拠点劇場としてきた練馬区武蔵関の「ブレヒトの芝居小屋」を閉じて、7月1日より新座市野火止に稽古場兼劇場を移し、新しい一歩を踏み出しました。新座の地でも「ブレヒトの芝居小屋」同様に精一杯活動を続けてまいります。引き続き温いご支援をお願いい
たします。引っ越して最初の公演は8月21日〜25日池袋のシアターグリーンbox in boxで、作/沖田有、演出/公家義徳『千年ユニコーン』を上演します。高校生の男の子と女の子を主人公にした作品で、ただ今稽古の真最中。12月には新しい稽古場でのお披露目公演を予定しています。


<サンアゼリア>
夏はタップで熱くなれ! 8/23・24

 連続テレビ小説『なつぞら』にも戦後のタップシーンが出て来るが、和光市が誇るタップ界のプリンス清水夏生は、世界最速といわれる華麗なパフォーマンスでニューヨークの観衆を沸かせ、水谷豊監督・主演作品『TAP(The Last Show)』では観客の魂をゆさぶった。今夏は出身地元和光サンアゼリアで仲間とともにハリウッドスタイル・タップダンスをたっぷり披露する。踊って歌って聴かせるエンターテインメント。大地を踏む軽快なリズムを感じて猛暑を吹き飛ばそう。情報欄および本紙エッセイ#103(2017年4・5月号)参照    




<ゆめりあ>
アミフランス 声楽・ヴォ-カルコンサート

 練馬区富士見台を拠点に声楽・ヴォーカルを指導する東原玉美さん主宰のアミフランスが、大泉でクラシック・シャンソン・ポピュラーと盛りだくさんのコンサートを開く。歌曲「赤とんぼ」「マイウェイ」「パリの空の下」などに加えてバイオリン演奏「情熱大陸」も聴きどころ。暑さも和らぐ候、幼き日を思い出し、また外国に思いをはせながら気楽に楽しめるコンサートに出かけてみるのもよいのでは? 9/28 入場無料
昼の部: 15:00(開場14:30)
夜の部: 19:00(開場18:30)
090-8037-0857(東原)
www.amifrance.net 情報欄参照


  

ぶんか村エッセイ 117

若き日の夢の時間 峯田義郎(彫刻家)

みねた よしろう 1937年山形市生まれ。東京教育大学卒。昭和会展で林武賞、高村光太郎大賞展、神戸具象彫刻展で特別優秀賞など。1976年文化庁派遣芸術家在外研修員としてメキシコ、ローマ等で研修。文教大学教授を経て東北芸術工科大学教授。作品は幕張メッセモール、国営昭和記念公園などに。現在白日会常任委員、東北芸術工科大学名誉教授。新座市栗原在住

人口減少と超高齢化が進んでいる。人生100年の時代だと云う。
かつてきんさんとぎんさんの姉妹が、共に100歳を超えて元気な姿がスター並みの人気だった。鹿児島県徳之島に住む泉重千代(いずみしげちよ)さんは、長寿の秘訣を問われ、泡盛と煙草と答えた。100歳をいくつ超えていたのか。
 彫刻を学び始めた学生時代、私は37歳という生涯に憧れていた。ゴッホやモディリアーニ、モーツアルトやショパンなど夭折の天才達に自分の年齢を重ねていたのかも知れない。彼等の悲劇の現実を深く考えもせずに、30代が自分の生きる時間だと思い込んでいた。その間に人間の心に響く形を生み出さなければならないと考えていた。今思う感傷的でドラマチックな人生を夢みていたあの頃の自分が恥しい。
 いつの時代も現実は余りに広く、深くそして複雑だ。そんな現実の中で、すでに私も充分高齢者だ。長い時間を経てそれなりの技術は身に付けたものの私の仕事は年期とは無関係だ。人間が生きるということは何なのか、ひとつの形にどうしたら生命の感覚が宿るのか、あの時の夢は未だ叶っていない。
 新座市立図書館前庭に独歩像を制作したのは1990年、私は53歳だった。独歩は27歳で「武蔵野」を書き終え1908年、36歳でその生涯を終えた。そして一市民としてこの像を寄贈したS氏は除幕式を終えて間もなく早々にこの世を去った。私より若い情熱家だった。


 
■ぶんか情報

大泉学園ゆめりあホール・ギャラリー
〒178-0063 練馬区東大泉1-29-1(大泉学園駅北口)03-5947-2351
http://www.city.nerima.tokyo.jp/
歌声喫茶 ともしび in 大泉学園8/19(月)・9/25(水)\2000(貸歌集100)950 懐かしい歌・ヒット曲をご一緒に歌いましょう! 03-6907-3801
第34回桃美会南画展 9/25(水)〜28(土) 入場無料 1000〜1700(最終日1500) 指導/鶴岡桃華(95歳) 動植物・山水 03-3973-7714
アミフランス声楽・ヴォーカルコンサート 9/28(土) 入場無料1500・1900 クラシック・シャンソン・ポピュラー 090-8037-0857東原※特集面参照

練馬文化センター(ホール・ギャラリー)
〒176-0001 練馬区練馬1-17-37(練馬駅北口)03-3993-3311 http://www.city.nerima.tokyo.jp
ボトルシップ作品展 8/2(金)〜5(月)入場無料 1000(初日1300)〜1800(最終1600)ガラス瓶の中に広がる帆船工芸 03-3993-7168
昼下がりコンサート〜チェンバロの魅力 9/2(月) 入場無料  1500 演奏/中村恵美 バッハ「イタリア協奏曲」 バード「鐘」
フォレスタコンサートin練馬10/1(火) ?5800(前売) 1400 「BS日本・こころの歌」に出演中!音大卒実力派コーラスグループ

T・ジョイSEIBU大泉 シアター
〒178-0063 練馬区東大泉2-34-1(オズスタジオシティ4F) 03-5933-0141 http://www.t-joy.net
引っ越し大名 8/30(金)〜 引っ越しは戦でござる! 原作・脚本/土橋章宏  監督/犬童一心 出演/星野源 高橋一生 高畑充希
人間失格 太宰治と3人の女たち 9/13(金)〜死ぬほどの恋。ヤバすぎる実話。監督/蜷川実花 出演/小栗旬 宮沢りえ 沢尻エリカ 二階堂ふみ 
記憶にございません! 9/13(金)〜 この男に任せて大丈夫か。 脚本・監督/三谷幸喜 出演/中井貴一 ディーン・フジオカ 石田ゆり子

和光市民文化センター サンアゼリア
〒351-0192和光市広沢 1-5(和光市駅徒歩15分) 048-468-7771 http://www.sunasalea.or.jp
●石山社中「武州里神楽」8/11(日)第1部:子どもも楽しむ「神楽塾」\990(中学以上)1030 第2部:第15回「雅の会」入場無料1300
●ダンス&ミュージックショー Earth Beats' Emotion〜和シアター〜 8/23(金)1900・24(土)1300・1630 \3000出演/清水夏生ほか

その他のコンサート・展覧会・公開講座
●1964年東京五輪写真展 〜8/25(日) 入館無料 900〜1700 朝霞市博物館(朝霞市岡2・7・22) 開会式・クレー射撃等 048-469-2285
●生誕90周年記念「手塚治虫展」 〜8/25(日) \980 930〜1700 茨城県近代美術館(水戸市千波町東久保666・1) 月休 029-243-5111
●夏休み 牧野富太郎ライブラリー 〜9/1(日)入場無料930〜1630練馬区立牧野記念庭園記念館(大泉学園駅南口5分)火休 03-6904-6403
●没後50年 坂本繁二郎展 〜9/16(月祝) \1000 1000〜1800 練馬区立美術館(中村橋) 作品資料約150点 月休 03-3577-1821
●モダン・ウーマン-フィンランド美術を彩った女性芸術家たち- 〜9/23(月祝) \500 930〜1730国立西洋美術館(上野) 03-5777-8600
●高畑勲展-日本のアニメーションに遺したもの〜10/6(日)?1500 1000〜1700 東京国立近代美術館(東西線竹橋駅3分) 03-5777-8600
●「ちひろさんの子どもたち」谷川俊太郎×トラフ建築設計事務所8/2(金)〜10/27(日)\800 1000〜1700ちひろ美術館月休 03-3995-0612
●朝霞市民まつり「彩夏祭」8/2(金)〜4(日)会場/朝霞中央公園・青葉台公園と周辺・北朝霞公園・朝霞台駅南口と周辺saikasai.com
●練馬放送連携企画「1日ラジオ放送局」 8/4(日) 1030〜1800 練馬区立南田中図書館 公開収録→DJ体験→トークショー 03-5393-2411
●キツネノカミソリ観賞会 8/18(日) 1100〜1500(雨天決行) 新座市営墓園(栄公民館前バス停5分) 保存会による案内 048-477-1449 
●東京演劇アンサンブル「千年ユニコーン」 8/21(水)〜25(日) \3000(前売) 時間要問合 シアターグリーン(池袋) 048-423-2521
●東京芸術座「終りに見た街」 8/21(水)〜25(日) \5000(夜間割引4000) 時間要問合 俳優座劇場(六本木駅1分) 03-3997-4341
●第14回スリランカを知ろう8/24(土)\1500(料理材料費込)1800〜2030(1600〜料理実習)田無公民館(田無駅2分) 042-466-8330
●ヒューマンフェスタ2019in朝霞「戦場カメラマン渡部陽一講演会」他8/24(土) 1000〜 朝霞市民会館ゆめぱれす 048-830-2255
●ユニット"清水西谷&朝岡さやか"プレミアムコンサート 8/24(土) \2500 1500新座市民会館(新座市野火止1・1・2) 048-481-1111 
●角松敏生コンサート9/1(日)\7800 1730 志木市民会館パルシティ(本町1・11・50) シンガーソングライター、ミュージシャン、音楽プロデューサー 048-474-3030
●野田流創作切り絵作品展 9/8(日)〜20(金)観覧無料1000〜1900ギャラリー通草(あけび)(JR武蔵野線南越谷駅10分)9/14休 080-5471-4516
●特別展「病(やまい)退散-江戸の知恵と医術」9/14(土)〜11/4(月祝)\300 900〜1800石神井公園ふるさと文化館 月休 03-3996-4060
●「跡見花蹊の風景展」-花蹊のスケッチ手帳9/24(火)〜12/6(金)入館無料930〜1630跡見学園女子大学花蹊記念資料館大学休休館 048-478-0130


プチぶんか村設置箇所
・大吾        ・ナカタヤ       ・松崎医院
・梅の大谷      ・ポラン書房      ・トーユーボー鈴美
・アミフランス    ・練馬放送       ・法台寺
・埼玉フィルハーモニー合唱団 ・スタジオパパパ    ・オリエントハローズコーヒー
・JAこぐれ村    ・だちょう牧場並木屋  ・にこまーる並木
・うさぎの輪     ・フエゴ        ・満月
・青樹舎硝子工房   ・ニューアマンド    ・ルジャンボン
・工房まどい     ・クロシェットドゥボワ ・切り絵&そば野田
・スペースM     ・オリエンタルハート  ・スペースKIRAKU
・シューズハウスふみや・ふな与        ・たまてばこ
・だいこんブラス   ・田中屋酒店      ・片山丸越
・きもの処つるや   ・イタリア料理カルド  ・おうちカフェ8585
・原田直之音楽事務所 ・堀田ピアノ教室    ・呉服かたやま
・フェルナンブーコ  ・田倉燃料店      ・栄泉
・ハタザクラを守る会 ・石崎英数教室     ・ギャラリー北鎌倉物語
・諸星裕美      ・むらさきの会     ・武蔵野楽器
・社会保険労務士伊藤事務所          ・歌声喫茶ともしび
・後藤友禅染色工房  ・アトレ企画      ・桃美会
・スペース陶     ・辻ヨガ教室      ・花と美登利
・青山フラワー    ・シオン        ・国立埼玉病院
・目白大学      ・跡見学園女子大学花蹊記念資料館
・石神井公園サービスセンター ・石神井公園ふるさと文化館
・JAとれたて村石神井・ふるさと新座館    ・新座観光プラザ
・片山農産物直売所  ・新座交響楽団     
・ココネリ産業観光情報センター
・石神井公園観光案内所 
☆練馬・朝霞・志木・新座・和光各公共施設


制作協力スタッフ
  北口雄輝 丸木ますみ 岩下曜子 土井久代 杉山英明 早川緋紗 宇杉


 
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