■特集 沖縄にドキドキ


 今年本土復帰50周年を迎えた沖縄は、いまやテレビ、新聞、雑誌等で大賑わい。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)も沖縄と鶴見を舞台に繰り広げられる『ちむどんどん』だ。「ちむどんどん」とはワクワクする気持ち、ドキドキする状態をいう。コンビニやスーパーで沖縄フェアが企画されるなど沖縄の風は身近にも吹いている。プチぶんか村も沖縄にドキドキしてみたい。


埼玉県内で見かけた沖縄フェア


練馬ゆかりの『ちむどんどん』
 作者の羽原大介さんもヒロインの黒島結菜さんもドラマの主要人物が江古田にある日大芸術学部に通学していた。きっと二人とも練馬に青春の思い出がたくさんあるに違いない。羽原大介さんについてはエッセイ2019年、メッセージ2021年と紙面に登場している。


ポスターにちむどんどん

沖縄にもフラガール?
 原大介さんは映画『フラガール』の脚本を担当。フラガールといえばまず思い浮かぶのがいわき市のスパリゾートハワイアンズ。その前身「常磐ハワイアンセンター」が常磐炭坑からの転換企業として開業していくプロセスを描いた実話に基づくストーリーだ。いわき市は全国規模の「フラダンス甲子園」が開催されるほどフラ一色ともいえる街だが、沖縄にもフラダンスの聖地がある。
 2015年、宮古島の伊良部大橋での記念イベントで、世界最多の1509人が同時にフラダンスを踊り、ギネス記録を達成した。それを祝う記念碑が立っている。


ギネス世界記録達成記念碑

やんばるとは
 ドラマで主人公の家がある山原村という村は実在しない。
やんばるについては明確な定義はなく、国頭村(くにがみそん)、大宜味村(おおぎみそん)、東村(ひがしそん)を合わせて「やんばる3村」という。名護市より北という人もあれば、もっと狭域だとの声も。とにかく沖縄本島北部の自然が多く残るエリアのこと。近年世界自然遺産登録で注目を浴びている。

ヤンバルクイナ
 やんばると名のつく鳥。1981年に新種として発見された。沖縄本島だけに分布する固有種で、飛べない鳥だから轢死することも多い。かつては慌て者を意味する「アガチ」と呼ばれていた。県鳥とよく間違えられるが、県鳥はノグチゲラ。


クイナの森にて


道の駅「許田(きょだ)」
 沖縄に道の駅はあるのか?1994年、県内第1号店として国道58号線沿いに「道の駅許田やんばる物産センター」が誕生した。元大泉学園町在住の田村喜子氏が著した『浪漫列島「道の駅」めぐり』(2000年講談社刊)のなかでも紹介されている。その後、道の駅は沖縄各地に広がった。ちなみに沖縄には「海の駅」もある。

沖縄のダム
沖縄にダムはあるのか?と思ったら、前述田村氏が北部五ダムについて触れていた。沖縄の人々は長い間水不足に苦しんできたそうだ。沖縄を訪れる観光客はこうした歴史的な水事情を理解した上で節水に協力すべきだという。やんばるにある県内最大規模の福地(ふくじ)ダムは沖縄本島の水がめ。資料館や憩いの場が設けられ、やんばるについて知るには有用な施設である。

ナナサンマル
 本土復帰で、本土との往来にパスポートが不要になった。また通貨がドルから円になった。さらに復帰6年後には道路交通法の変更でそれまで右側通行だった車が左側通行になった。1978年7月30日のこと。そのときのキャンペーンが「ナナサンマル」。


ナナサンマルのステッカー


沖縄料理を味わう
 スーパーなどで手に入る食材でチャレンジしてみよう。すでにゴーヤチャンプルーは誰もが知るところ。ではフ―チャンプルーなどはいかが?チャンプルー用の麩でなくても車麩で代用可。ラフテー丼、イリチー、ソーキそば、モズクの天ぷらなども手軽に作れておいしい沖縄料理。


フ―チャンプルー


沖縄ことば
ハイサイ(こんにちは)
アキサミヨー(びっくり!)
デージ(すごく)
マサカヤー(ほんと?)
マーサン(おいしい)
ナンクルナイサ(どうにかなる)
グブリーサビラ(さようなら、またね〜)

アジアの食材専門店 Bach Anhバック アン)
 ベトナム人女性フェンさんが、近隣に住むアジアの人たち(ベトナム、フィリピン、タイ、インドネシア、ネパールなど)の要望に応えて昨年新座市(片山交差点角)にオープンした。今や日本人客も増えている。フェンさんは日本に住んで約10年、流暢な日本語を話す。輸入米(タイほか)、フォーなど乾麺類、野菜・果物・肉・お菓子などが所狭しと並び、特に調味料は充実。使い方は教えてもらえる。
新座市片山1-9-17
080-3399-6167
10:30〜20:00 無休




武蔵嵐山(むさしらんざん)の名づけ親
 「鎌倉殿の13人」に登場する畠山重忠の菅谷館跡や像がある武蔵嵐山は、埼玉の景勝地。久喜出身で日本初の林学博士本多静六が、1928年に槻川の景観を眺めて「京都の嵐山に似ている」として「武蔵嵐山」と名づけた。本多は「蓄財の神様」ともいわれ、「人生即努力、努力即幸福」と働学併進の簡素生活を続け、東大農学部の助教授を務めながら「月給4分の1天引き貯金」と「1日1頁の原稿執筆」を励行した。著作が多く、全国の公園設計を手がけた。東京の日比谷公園、福岡の大濠公園は一例。明治神宮の造林にも関わった。博士の業績を偲びながら武蔵嵐山を歩いてみたい。 池袋から東武東上線で約1時間

おかずやカフェ
 住宅街にひっそり佇む小さなごはん屋さん。昭和レトロなオープンキッチンからいつもおいしそうな匂いがただよっている。オーナーの志波さんが季節の食材で丁寧に調理。コロナの影響で食事の提供はお弁当と手作り総菜の販売のみだが、それでも多くの人に喜ばれている。大泉の農園から定期的に届くフレッシュ野菜も人気だ。室内ランチの再開が待たれる。
練馬区豊玉南3-15-9(練馬駅から15分)
03-3994-6365
11:30〜15:00 火曜定休

ポツンとワンルーム
 建築家黒川紀章が初めて美術館を設計したのが埼玉県立近代美術館。その縁で、今話題の黒川メタボリズムの代表作「中銀カプセルタワービル」の一室が2011年に美術館に寄贈された。美術館と同じ北浦和公園内に置かれ、芝生のなかの白い物置小屋という風情。注意しないと見過ごしてしまいそうだ。丸窓と反対側入口のガラス扉を通して機能的に作られた内部の見学ができる。本ビルの解体は進むが、ここでその遺構が確認できるのはうれしい。JR北浦和駅西口5分



■エッセイ123



練馬にコミュニティFMを
 三宅克彦
(みやけ かつひこ)
(株式会社練馬放送代表取締役)

1956年立川市生まれ。1983年、結婚を機に練馬に移住し、以来継続して練馬に居住、現在は大泉学園町在住。練馬放送内では「The Radio GrantHeights」にてケイ・グラントのアシスタント

 決して飽きっぽいわけではないものの、刺激を受けることで新しい事に取り組みたくなる時がしばしばありました。そろそろキャリアも終盤に差し掛かかってきたなと思い始めたある時、地域貢献ができる新しい事をしたいと考え、築いてきた人の輪、様々な経験を活かし、練馬には無いコミュニティFMを開局できないかとリサーチを始めました。すると、やはり同じ思いで、準備としてインターネットラジオ局を運営している若者が2人いることがわかり、いてもたってもいられず合流を願い出て、面識の無かった二回りほども違う者を快く受け入れてもらい活動を共にする事となりました。
 
2013年の事で、その後、共感してくれた朋友で地元の人気DJケイ・グラントが番組を持ってくれたり、災害時におけるラジオの有為性を練馬区に訴え臨時災害FMに関する防災協定を締結したり、練馬祭りで練馬区広聴広報課と共同で一日だけのイベントFMを開局したり、お祭りや各種イベント、研修会等をサポートしたりしてきた事で徐々に活動が周囲に認知されるようになりました。
 そして2020年春、いよいよ、担当省庁である総務省にコミュニティFM開局免許取得準備開始を申し出て、多くの方々の御支援を頂きながらその目標達成が近づきつつあります。都市農業、アニメなどの産業や文化の魅力を内外に発信し、「ふるさと練馬」のすばらしさを多くの方々の共感・共有する、そんな役割を果たしていきたいと思っています。
※おでかけ情報欄に関連記事あり


■おでかけ情報


時節柄、あらかじめお確かめの上お出かけください。定休日が祝日のときは翌日が休みとなることなどもあります。

●「窮の會」作品展2022
開催中〜6/4(土)11:00(初日13:00)〜17:00 (最終日15:00) 有楽町東京交通会館B1エメラルドルーム(地下鉄有楽町駅すぐ) 03-3214-4288 ※伊澤正男・永原リタ他 絵画・染・書など

●出版120周年 ピーターラビット展
開催中〜6/19(日) 10:00〜18:00 月曜休館1600円 世田谷美術館 世田谷区砧公園1-2 03-3415-6011

●ホタル・生命の輝き・写真展
6/1(水)〜7/18(月祝) 9:00〜18:00 月曜休館 観覧無料 石神井公園ふるさと文化館 練馬区石神井町5-12-16 03-3996-4060

●野火止用水灯明まつり
6/5(日) 16:00〜20:00 ふるさと新座館前広場(雨天室内催行) 090-3178-5581(チーム・キャロット高畑)
※子どもたちの夢や願いをかいた灯明が並ぶ

●はつかり感謝祭
6/5(日) 10:00〜15:00 初雁木材有限会社 朝霞市膝折3-4-40 048-461-0144 駐車場なし
※ワークショップ・音楽・落語ほか。ベンチづくり1000円 

●映画「峠 最後のサムライ」
6/17(金)〜 T・ジョイSEIBU大泉ほか 原作/司馬遼太郎 監督/小泉堯史 音楽/加古隆 出演/役所広司 松たか子 ※最後のサムライ(越後長岡藩非門閥家老河井継之助)の熱き心を描く

●ジャーナリスト望月衣塑子の
「政治の裏側を切る」
6/18(土) 19:00 1000円 練馬文化センター (練馬駅北口) 03-3991-7087
※望月氏は映画「新聞記者」の原作者。新座市役所内でも映画のロケが行われた

●企画展「石神井公園
〜池のほとりに育まれた自然と歴史〜」
6/18(土)〜8/14(日) 9:00〜18:00 月曜休館 観覧無料 石神井公園ふるさと文化館 練馬区石神井町5-12-16 03-3996-4060

●「イル・ヴォーロwithプラシド・ドミンゴ
〜魅惑のライブ〜」特別上映会

6/21(日) 11:30・14:00 2500円(当日2900円)
練馬文化センター 03‐3498‐2508(楽画会)

●ちひろ・花に映るもの
6/25(土)〜10/2(日) 10:00〜16:00月曜休館 1000円 ちひろ美術館 練馬区下石神井4-7-2 03-3995-0612

●生誕100年 朝倉摂 展
6/26(日)〜8/14(日)10:00〜18:00 月曜休館
1000円 練馬区立美術館 練馬区貫井1-36-16
03-3577-1821
※画家・舞台美術家として活躍した朝倉摂(彫刻家・朝倉文夫長女1922-2014)の全貌に迫る
 
●内面和彦の銅細工展
7/7(木)〜12(火) 11:00〜18:00 スペースM志木市本町1-2-2 048-474-8486
※銅の妖精たちがいざなうメルヘンの世界

●東京21世紀管弦楽団名曲コンサート
7/17(日) 14:00 S5000円 新座市民会館 
新座市野火止1-1-2 048-481-1111
曲目/ショパンピアノ協奏曲第1番 チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」ほか
指揮/浮ケ谷孝夫 ピアノ/福間洸太朗
090-7283-7680(岡本)

●牧野富太郎生誕160年記念特別展
「牧野富太郎と万葉集の植物」
7/23(土)〜9/25(日) 9:30〜16:30 火曜休館
入場無料 牧野記念庭園記念館 練馬区東大泉6-34-4 03-6904-6403

●東京演劇アンサンブル こどもの劇場公演
「おじいちゃんの口笛」
7/23(土)・24(日) 14:00 3000円(当日3500)野火止RAUM 新座市野火止3-16-24 048-423-2521 ※JR新座駅から送迎あり(要予約) 

●ベンチャーズ
7/30(土) 14:30 6500円 朝霞市民会館ゆめぱれす 朝霞市本町1-26-1 048-466-2525
曲目/「ダイアモンドヘッド」「パイプライン」ほか

【蒲馬放送からのお知らせ】
蒲馬放送では、株主(法人・個人)を募集しております。練馬放送ホームページ内問い合わせホーム、もしくはradio@nerima.fmまでお問い合わせください。

編集後記
本紙では2006年の10・11月号で「近い沖縄」と題して地元の沖縄関連施設等を紹介しました。本号と併せてお読みいただければ幸いです。

   

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