■「道の会」ストーリー



 寄贈絵画が同じ場所に長くかけられたままになっていることは多い。作品の制作と入れ替えには労力がかかる。それを自ら進んでやる人たちがいる。

「道の会」とは
埼玉県和光市に国立埼玉病院がある。病院の展示ボランティアグループが「道の会」だ。
 事の始まりは2000年、入院中に食事の膳におひなさまの小さなイラストがのっていた。ひな祭りだということをすっかり忘れていたある患者の心にポッと明かりが灯った瞬間だった。その話に「病院にも文化を」と編集部が動き、病院側に提案。当時の院長とプチぶんか村編集長が話し合い、数年後から展示がスタートした。
 この趣旨に賛同した花追い人こと写真家の松本立夫さんの協力により月替わりで花の写真を8点飾る期間が続くなか、押し花、和紙人形、プリザーブドフラワー、絵画へとメンバーは増えていった。
 基本的には「毎月新作を展示」してきたのだが、メンバーの高齢化に伴って近年では年4回、3月、6月、9月、12月の第一週にかけ替えを行っている。
 病院ボランティアは、活動が医療業務に支障をきたさないように、また患者様の迷惑にならないように行う覚悟が要る。患者様最優先の活動であることを忘れてはならないというのが私たちの共通認識だ。


かけ替え作業中


国立埼玉病院を彩った作品たち展
 月一で制作していた頃、作品を一般の方たちにも披露し、この活動を知ってもらおうと志木駅前のにいざほっとぷらざ(現在閉館)で開催した。小品でもずらり並ぶと壮観だ。病院の関係者らも足を運んでくれた。マスコミの取材も受けた。

見てもらえる喜び 
 かけ替え作業中に患者様や職員の方々からもよく声をかけられる。「次はどんな作品が見られるのか楽しみです」「絵や写真があるとこの通路が明るくなりますね」。会計ゾーンの通路壁面だから意識しなくても目に入るようだ。

感謝状をいただく
 これらの地道な活動に対し病院より3回にわたって感謝状が贈られた。活動に拍車がかかったことはいうまでもなく、名誉なことと受け止めている。
国立埼玉病院
和光市諏訪2-1
048-462-1101





こんなメンバーです
鶴岡桃華さん(南画)  練馬区
 「みなさんを励ますことになるなら」と作品題に年齢を表示してきた最高齢。97歳まで作品を飾り続けました。編集部保管作品の展示をこれからも続行します。院内2階には鶴岡さんの「シダレザクラとかがり火」が常設展示。






さいとうしずえさん(手作り絵本・童画)  新座市
 絵本を出版したり、手作りしたりするのが楽しいという。展示作品はいつもかわいらしい童話の世界に誘うオリジナル。「院長先生や看護部長さんが私の絵本を小児科に置いてくださったことが喜びです」。







タケダヒロコさん  朝霞市 (ミクストメディア・紙版画)
 絵本作り、イラスト制作、写真撮影が好き。私の作品から描くことの楽しさが伝わればいいなと思っています。道の会の仲間との交流も楽しいです。









尾崎アースラさん(ポーランド切り絵)  新座市
 「自分の作品で病院を明るくしたかった」「飾ってある他の作品の作家について知りたかった」と2年前に参加。ポーランド切り絵は鳥や花をカラフルに表す独特の作品。






酒井康和さん(写真)  練馬区
 入院中に道の会の展示を見て、退院後は自分が励ます側になりたいと撮影を始めました。

山口 桃さん 朝霞市(プラスティックエコ絵画)
 廃材のプラスチックをチップにして貼り付ける絵画。環境問題を見据えての労作。

井出廉子さん(風景画) 和光
 父の描いた水彩画が院内に飾ってあるのが縁で誘われました。もっと上手な人がこれなら自分も…と参加してほしい。









宮ア直子(アクリル画) 新座市
 代表を務める。欠員穴埋めのために描き始めた色紙絵画がたまってしまいました。展示活動は心のケアになっています。






※これまで大勢の作家さんが病院の展示に参加してくれました。道の会はこれからも歩み続けます。


コラム
読書のおともに
 
あの東野圭吾さんが大泉学園に住んでいたって!? ビックリしますね。練馬区の都民農園(都県境)あたりが彼の推理小説に描かれていたので土地勘があるんだと調べたところ、大阪から上京して最初に住んだのは大泉学園であることが判明。本人が雑誌のインタビューに答えている。護国寺から講談社へ行くには便利なので選んだとか。そこで編集部は一つ推理してみた。ペンネームは西武池袋線の駅名「東吾野」からとったのではないかと。しかし東野圭吾は本名であった。東吾野駅が喜びそうな名前だけれど。
 中山七里さんの推理小説に登場する岬洋介は、司法試験をトップ合格するほどの才能を持ちながら裁判所や検察庁に勤めずピアニストの道を選ぶイケメン。和光の司法研修所がよく出てくる。また作家は新座市平林寺ゆかりの花園大学(京都)のOBである。

太平観光
 エッセイの北垣さんに太平観光について伺った。「練馬区西部(練馬高野台駅・大泉学園駅・大泉中央公園・新座市片山)から出発する地元密着のバスツアーを実施しています。旬と地域性にこだわり特に食事が好評です。土産物店にはあまり寄らず観光重視のゆったりとした行程のため、高齢の方や歩くのが苦手な方も無理なく参加できます。コロナ禍の時に密を避けるために「一人で2席利用」にしていましたが、「ゆったり座れて疲れない」と好評だったため今も原則一人で2席利用です。」 
太平観光株式会社 練馬区東大泉7-38-9 03-3924-1911
※「おわら風の盆」「尾瀬ハイキング」「潮干狩り」「秩父夜祭」などに参加したが、どれも大満足。実踏に基づく穴場ポイントなどを教えてもらえるのがうれしい。何より地元発着がありがたい。(編集長)

ろうけつ染めの正男さんとリタさん
 プチぶんか村が主催したフィンランドさくら展に参加し、毎年有楽町でグループ展を開いているこの2人が、和光市民文化センターサンアゼリアで2回目の展覧会を開く。正男さんの和、リタさんの洋、と自然を題材にしたスケールの大きな作品が見どころ。森と湖の国フィンランドに生まれたリタさんは、インドネシアでバティックの技術を身につけ、北欧とアジアという独自のコラボ作品を創出。保谷の工房で制作、指導している。浦和在住の正男さんは仏画を各地に残し、和光市下新倉にある壹鑑寺(いっかんじ)の四季の間の襖絵も手がけた。制作に3年、完成は1996年10月。その襖絵を鑑賞しながらの尺八とマリンバのコンサート(無料)が予定されている。2人のギャラリートークも笑いが起こりそうだ。
会期11/29(水)〜12/6(水) ※おでかけ情報参照

映画『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』
「埼玉県人には、そこらへんの草でも食わせておけ!」な、なんという言われ方!埼玉をディすりまくった映画『翔んで埼玉』は、山田うどん、十万石まんじゅう、コバトンなど埼玉県民にはなじみ深い名称やキャラクターが続々、新座、朝霞、和光などの地名の幟も登場した。大ヒットしたのは4年前。そしてまもなく第2弾がやってくる。「そうだ京都、じゃなくて関西行こう!」と天下分け目の琵琶湖対決に向かう。そういえば埼玉と滋賀ってどちらも海なし県。琵琶湖は大きな湖だけど海ではない。では果たして仲良くなれるのか? 「埼玉県民の日」(11/14)から角川武蔵野ミュージアムで「翔んで埼玉展」https://ej-anime-m.jp/exhibition/saitama/
行田市の田んぼアートは当ブログを。



■ぶんか村エッセイ131



旅自転車について
北垣 繁(太平観光株式会社代表取締役)

きたがき しげる 1964年東京生まれ。鹿児島大学サイクリング部OB。学卒後名古屋の木材輸入商社で10年勤務後に父親が創業した太平観光へ入社。2000年より同社代表取締役。学校関係の教育旅行を主体にしているが地元の中高齢者を対象にした太平ツアーを企画実施している。

 1954年に自転車研究の第一人者の鳥山真一氏がフランスから輸入したルネ・エルス製の旅用自転車ランドヌーズ。石畳向きの太いタイヤとアルプスの山岳地帯に対応する変速機付きの多段ギアの車体は、当時未舗装路が多く山国である日本の風土と一致し、旅自転車「ランドナー」として日本で独自の進化を遂げました。荷物を載せて楽に走れるサイクリング用の自転車がランドナーです。1985年頃までは趣味の自転車の主流でしたが、アメリカから入ってきたマウンテンバイクに駆逐され絶滅危惧種になってしまいましたが、ロードバイク(競技用自転車)ブームも下火になり、最近になって再び注目されるようになりました。
 小学生の頃からサイクリングにはまり大学時代はサイクリング部で全国を走り回りましたが、社会人になってからは滅多に乗る機会も少なくなりました。ランドナーも放置したままで嫁からは粗大ごみ扱いされていましたが、コロナ禍で仕事もなく時間だけはたっぷりあったので半年ほどかけて再生しました。乗れるようになればどこかに行きたくなります。もう先も見えない不安だけしかない世の中。最後の最後は神頼み(仏頼み)ということで、「弘法大師におすがりするのだ」と四国八十八カ所お遍路自転車旅に行きました(現実逃避!)。1番札所から順番に回れば良いのだろうと全く無計画な旅でしたが、自転車旅の楽しさを再認識することができた一カ月間でした。



■おでかけ情報


あらかじめ確かめてからお出かけください。
定休日が祝日の場合は翌日休となる等もあります。

宇川直宏展 
FINAL MEDIA THERAPIST@DOMMUNE
開催中〜11/5(日) 10:00〜18:00 1000円 月曜休館 練馬区立美術館 練馬区貫井1-36-16(中村橋駅3分) 03-3577-1821

紙のおもちゃがいっぱい 北原コレクション
開催中〜11/5(日)  9:00〜18:00 月曜休館 300円
石神井公園ふるさと文化館 練馬区石神井町5-12-16(石神井公園駅15分) 03-3996-4060※ブリキのおもちゃ博物館館長北原照久氏のコレクションを中心に

国史跡指定記念 牛王山遺跡展
独立丘に営まれた弥生時代の環濠集落
10/5(木)〜29(日) 9:30〜17:00 入場無料 和光市民文化センターサンアゼリア 和光市広沢1-5(和光市駅13分)048-468-7771 問合先:048-424-9119教育委員会生涯学習課 ※記念講演会・関連講座あり

混声合唱と室内オーケストラによる
心に染み入る懐かしい日本の抒情曲
10/7(土) 13:45 S4000円 A3000円 新座市民会館 新座市野火止1-1-2 048-481-1111 指揮/内藤彰 03-5305-4545 

いわさきちひろ やさしさと美しさと
10/7(土)〜1/14(日) 10:00〜17:00月曜休館 1000円 ちひろ美術館 練馬区下石神井4-7-2 (上井草駅7分) 03-3995-0612 ※ちひろ美術館セレクション2010⇒2021「日本の絵本展」を同時開催

ワークショップマルシェ
10/8(日) 11:00〜17:00 ギャラリー・スペースM 志木市本町1-2-2  048-474-8486 ※スマホポシェット、ワイヤークラフト、皮工芸、ステンドグラス&ミラーアクセサリー、ビーズブローチ、サンドブラスト他 

第32回成増童謡まつり
10/14(土) 13:00 入場無料 成増アクトホール 板橋区成増3-11-3 03-5998-6881(成増駅北口すぐ) ※「みどりのそよ風」「靴が鳴る」「七つのお祝い」「いもほり」他

湧水環境フォーラムin和光
10/15(日) 13:00〜16:30 定員/中高生・大人40名 要予約 048-462-9912高橋 白子コミュニティセンター ※第一部:白子湧水群見学 第二部:講演 講師/吉田広人(日本地下水学会市民コミュニケーション)ほか

歌声喫茶ともしびin大泉学園
10/26(木)・11/16(木)  9:50  2000円(要予約
03-6907-2731ともしび音楽企画) 大泉学園ゆめりあホール(大泉学園駅北口すぐ) 03-5947-2351

第8回野火止用水灯明まつり
10/28(土) 15:00〜19:00 入場無料 ふるさと新座館(野火止公民館) 新座市野火止6-1-48 048-478-4523 ※子どもの夢や願いを書(描)いた灯明が並ぶチーム・キャロットのイベント 090-3178-5581高畑

タネと実の不思議
10/28(土)〜12/17(日) 9:30〜16:30 火曜休館
入場無料 牧野記念庭園記念館 練馬区東大泉6-34-4(大泉学園駅5分) 03-6904-6403 

@映画「筆子その愛 天使のピアノ」A映画「大地の詩
留岡幸助物語」上映会

11/2(木) @10:30 A14:00 1200円(当日1500円03-5332-3991) 大泉学園ゆめりあホール(大泉学園駅北口すぐ)03-5947-2351 ※石井筆子・留岡幸助ら社会福祉の先駆者映画2本

ASAKA STREET TERRACE
〜朝霞の「まちなかテラス」を歩こう〜
11/3(金祝)・4(土) 10:00〜21:00(4日は15:00迄) 会場: 朝霞駅南口広場、朝霞市役所前、シンボルロードなど 問合先:asaka.street.terrace@gmail.com

映画『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』
11/23(木祝)〜 T・ジョイSEIBU大泉ほか 
出演/GACKT 二階堂ふみ 堀田真宙 天童よしみ
※特集面参照

ろうけつ染めによる作品展 伊澤正男×永原Riitta
〜豊かな自然へのレスポンス〜
11/29(水)〜12/6(水) 10:00〜16:00和光市民文化センターサンアゼリア 和光市広沢1-5(和光市駅13分) 048-468-7771 ※12/2 14:00 壹鑑寺コンサート 12/3 11:00ギャラリートーク ※特集面参照

中山みどりアートハウス会員による
   ショパンの英雄ポロネーズを奏でるコンサート
11/30(木) 19:00 2000円(当日2200円080-1359-0925中山)  大泉学園ゆめりあホール(大泉学園駅北口すぐ) 03-5947-2351 ※ピアニスト5人が英雄ポロネーズと他1曲を各々披露 

歌声カルテットの昭和歌謡コンサート
12/16(土)14:00 2000円(当日2500円) 朝霞市民会館ゆめぱれす 朝霞市本町1-26-1(朝霞駅南口12分) 048-466-2525※学生時代・青い山脈・北上夜曲・あざみの歌・山のロザリア・長崎の鐘・若者たち・浜辺の歌ほか


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