■ミラノ



 「ミラノ・コルティナ2026冬季五輪」が近づいてきました。開催地のミラノはローマに次ぐイタリア第2の都市。ファッションやデザインは世界的にも有名ですね。果たしてミラノと当地は関係ありや否や。

ミラノの位置
 ミラノはローマの北西部、スイス国境に近い。コルティナ(コルティナダンペッツォ)はオーストリア国境付近にあるアルプス山麓のリゾート地。











ミラノの象徴といえば
 ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)。ミラノを語るに欠かせないゴシック様式の壮大な教会で完成には5世紀もかかったという。それなのに世界遺産には登録されていないのが不思議。135の尖塔があり一つ一つに聖人が立っている。
 ドゥオーモ前の広場には観光客目当てのハトの豆売りが右往左往し、うっかりすると豆を握らされてしまう。ここでは手はグーで。



ドゥオーモ


スカラ座
 宮廷劇場以来の伝統を持つイタリアオペラの最高峰。あのカラヤンもここを拠点とした。スカラ座の史上最大の成功例のひとつはマリア・カラスの『椿姫』。椿姫の作曲家ヴェルディもまたミラノにゆかりがあり、語るに欠かせない人物だ。
 ところで、日本の映画館は昔から「ミラノ劇場」「スカラ座」といったミラノやスカラの名前がつけられているがなぜだろう。

レオナルド・ダ・ヴィンチ
 スカラ座前のスカラ座広場にレオナルド・ダ・ヴィンチ像が立っている。『最後の晩餐』がミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会のドメニコ修道院の食堂に描かれていることはあまりにも有名。4.2m×9.1m の巨大な絵画で、1495年から98年に制作された。遅筆のレオナルドにしては3年で仕上げたのは驚くべき速さ。乾いた漆喰にテンペラで描かれ、雨ざらしに遭ったりもして損傷が激しく、修復に相当の時間を費やした。
「『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィ『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院」として世界遺産に登録されている。見学は完全予約制で、見学時間は15分と限られている。


レオナルド・ダ・ヴィンチ像

日本にあった
レオナルド・ダ・ヴィンチ作品

粘土像までは作られたものの戦争により壊滅してしまったフランチェスコ・スフォルツァ将軍騎馬像を、見つかった資料とコンピューターを駆使して高さ8.3m、幅3.6m、全長8.8mの白亜の強化プラスチック製として日本で立体再現。像は名古屋国際会議場(熱田区)の中庭に立つ。日本の研究と技術がもたらした世界で唯一無二のレオナルド作品である。名古屋に行く機会があれば必見!

ミラノ万博の日本館
ミラノ万博が開催されたのはちょうど10年前の2015年。岩手産のカラマツ集成材を使用し、釘や金物を一切使わずに木材をつないでいく相欠ぎの手法、立体木格子で作られた日本館の4〜8mの壁は、奈良の東大寺南大門や法隆寺を連想させるとして大人気だった。特に木格子から明かりが漏れる夜間は幻想的な雰囲気が醸し出され、待つのが苦手なイタリア人も木材建築の妙を楽しみながら数時間待ちもいとわずに並んだそうだ。「なんて美しいの!」という声が上がっていたとか。開催国のイタリア館を上回って一番人気となったこの日本館を設計したのは叶ホ本建築事務所で、展示デザイン部門の金賞を受賞。同じころ石本建築事務所は新座市役所の設計も手掛けていた。

新座市役所
「ひとがあつまり、まちと武蔵野の杜につながる庁舎」をコンセプトに、壮大な平林寺境内林を借景とする環境に配慮した庁舎が完成したのは2017年。立ち止まってじっくり眺めていると木の香り、木の声が五感にしみてくる。天気がよければウッディなオープンテラスでくつろぐのもよいだろう。


新座市役所



ミラノサンド
生ハム、ボンレスハム、ボローニャソーセージを挟んだドトールコーヒーの定番ロングセラーサンドイッチ。まさにイタリアンテイスト。季節限定もあるのでミラノサンドをテイクアウトしてオリンピックのテレビ観戦といきましょうか。


半分にカットしたミラノサンド



『平場(ひらば)の月』
 原作には、冒頭に「朝霞、新座、志木」「中央病院」「印刷会社」「ヤオコー」が出てくるのでジモト民にとっては臨場感があり想像力も掻き立てられる。著者の朝倉かすみさんは朝霞市に住んでいたというから土地勘があるのは当たり前。映画の撮影も朝霞市内(おもに朝霞台)はじめ新座や志木でも行われた。朝霞台駅前には映画『平場の月』の横断幕が掲げられている。
映画では主人公の青砥健将を堺雅人さん、須藤葉子を井川遥さんが演じる。2人は35年ぶりに再会した中学時代の同級生。大人の恋、という言葉では容易に語れないなんとも切ない哀感が漂う作品となっている。
関係各駅をめぐるスタンプラリーも行われた。写真は朝霞駅

本田美奈子さんとプチぶんか村
 幼少から朝霞で育った本田美奈子さん。アイドル歌手、ミュージカル歌手(「ミスサイゴン」「屋根の上のヴァイオリン弾き」…)、そしてクラシックにも造詣深く、地元はもちろん全国のファンを不動のものにしていた。プチぶんか村がエッセイを依頼したのは円熟期の2002年、亡くなる3年前のこと。自筆原稿が届いたときはその真面目で誠実な人柄に感動を覚えたものだ。オリジナルの原稿は編集部で保管したのちご遺族にお返しし、この旨は新聞報道された。
今年はデビュー40周年、没後20周年にあたる。朝霞駅南口に立つ記念碑(写真)には花束が供えられていた。
本田美奈子さんのエッセイはHPに収録。2002年8・9月号

鶴岡桃華先生の馬
 90歳を超えてもなお南画の制作と指導を続けた女流南画家鶴岡桃華氏(故人・練馬区)は、毎年大泉学園ゆめりあギャラリーにおいて、率いる桃美会の展覧会を主催していた。小紙との出会いはゆめりあギャラリーの抽選会場。その後、小紙主催の「わたしのマウン展」に来場くださったことでご縁が生まれた。フランスのメッスで行われた日仏文化交流にも参加。着物にたすき掛けで現地の人たちに南画制作を披露した。「南画は難しく考えないで楽しむのがいちばん」と毎年初心者でも描ける干支を指導。
「南画というよりは塗り絵的ですかしらね」と笑いながら描いてくださった右の作品は12月19日から1月末まで国立埼玉病院「道の会」ギャラリーに展示される。

これはデカい!! ジャンボ餃子の一圓
〜元気なママさんより〜

 今回は「映えです!」。上石神井駅すぐ、地元で長年愛される中華の店。"推し"も押されもせぬ名物!ジャンボ餃子は、取り皿からハミ出る大きさ!一見の価値あり。女性なら2人でシェアで満腹…ご飯やビールとの相性も抜群で、遠方から通うファンも多いとか。北海道産小麦粉を使用し、皮も具も店内で手作り。素朴ながらもボリューム満点の一皿(5個780円) にきっと満足するはず。アットホームな雰囲気で、一人でも家族でも気軽に立ち寄れる一軒です。
練馬区上石神井1-5-8 
03-3928-8933
11:00〜23:00 年中無休



■ぶんか村エッセイ144



「型破り」な遺伝子を探して
尾形善之
(大阪公立大学大学院農学研究科准教授)

おがた よしゆき 
1969年東京生まれ。私立武蔵中学・高校を卒業。京都大学農学部で博士号取得。かずさDNA研究所、理化学研究所で研究員として勤務した後、大阪公立大学(旧大阪府立大学)大学院農学研究科で准教授として勤務中。


 「型破り」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。私も知っていましたが、十八代目・中村勘三郎さんがテレビで語った「型があって初めて型破りになる。型がなければ形無し。」という言葉を聞いて、その意味をより深く理解できた気がしました。調べてみると、「守破離(しゅはり)」という考え方に行きつきました。茶道や武道などで使われる言葉で、「守」は師の教えを守ること、「破」はそれをもとに一部崩したり、良いものを取り入れたりして発展させること、「離」は型から離れ、その延長線上で独自の境地を生み出すことを指します。
 私は遺伝子の研究をしていますが、この「守破離」は遺伝子の進化にも通じると考えています。
 遺伝子は生きものの細胞の中にあり、その設計図のような役割を持っています。生きものが進化するとき、遺伝子もまた変化します。このように、進化の流れに沿って変わるものを「型に従った遺伝子」とするなら、「型破りな遺伝子」は、普通の進化では説明しにくい特別な変化をした遺伝子といえるでしょう。実際、生きものの中には何万もの遺伝子がありますが、その多くが少しずつ「型破り」な一面をもっています。生きものが進化するとき、失われたり、形を変えたり、数を増やしたりすることがあるのです。
 遺伝子の世界にも「守破離」のような進化のリズムがある――そう考えると、生命の奥深さに改めて驚かされます。


■おでかけ情報



あらかじめ確かめてからお出かけください。
定休日が祝日の場合は翌日休となる等もあります。


●映画「平場の月」
上映中 TジョイSEIBU大泉ほか 原作/朝倉かすみ 監督/土井裕泰 主題歌/星野源 出演/堺雅人 井川遥
※原作・映画ともに朝霞市周辺が舞台

●「遺伝性がん当事者からの手紙」写真パネル展
開催中〜12/12(金) 国立埼玉病院1階会計窓口前
和光市諏訪2-1(成増・大泉学園駅からバス国立埼玉病院
または国立埼玉病院入口下車) 048-462-1101

●松永安左ヱ門生誕150周年記念展
開催中〜12/27(土) 9:00〜17:00 無料 月曜休館
新座市立歴史民俗資料館(れきしてらす)
新座市野火止2-9-37 048-481-0177 ※茶人耳庵

●装いの翼 いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子
開催中〜2/1(日) 10:00〜17:00 1200円 月曜休館
ちひろ美術館・東京 練馬区下石神井4-7-2(上井草駅7分) 03-3995-0612

●詩吟で語り伝える先人たちの体験
平和を祈る―戦後80年を迎えて―
12/7(日) 14:30 入場無料 全席指定 野火止ふるさと新座館 新座市野火止6-1-48(JR新座駅10分) 048-478-4523 問合先090-1178-4432秋山

●映画『高野(たかの)豆腐店の春』
12/11(木) @10:00A14:00 1000円(当日1200円)
和光市民文化センターサンアゼリア 和光市広沢1-5(和光市駅13分)
048-468-7771 出演/藤竜也 麻生久美子

●やぐちゆみこ原画展「森のクリスマス」
12/12(金)〜27(土)11:00?18:00 オリエンタルハート
練馬区石神井町3-16-17 03-3996-7419

●映画『35年目のラブレター』
12/14(日) @10:30A14:00 900円(当日1000円)
新座市民会館 新座市野火止1-1-2(新座市役所3分)
048-481-1111 出演/笑福亭鶴瓶 原田知世 重岡大毅 上白石萌音

●歌声喫茶ともしびin大泉学園
12/15(月) 14:00 2500円(要予約03-6914-16
21ともしび音楽企画) 大泉学園ゆめりあホール(大泉学
園駅北口1分) 03-5947-2351 ※サクソフォン奏者
中川美保ミニコンサート付

児玉ヤスツグ 絵ものがたり 
12/18 (木)〜23 (火)11:00〜18:00(最終日17:00ギャラリー・スペースM 
志木市本町1-2-2 048-474-8486 
※絵本も作る児玉ヤスツグの個展。絵を見ながらお話が生まれる! 
作家在廊日20(土)・21(日)  

●新座市制施行55周年記念 大相撲新座場所       
12/21(日) 9:00〜15:00 新座市民総合体育館 新座市本多2-1-20 048-478-8011

●長谷見誠フルートコンサートシリーズWinter〜加藤里志を迎えて
1/7(水) 18:00 2500円 和光市民文化センターサンアゼリア 和光市広沢1-5 048-468-7771 曲目/クラシック・ジャズほか ※ゲスト加藤里志(サクソフォン)

●おーけすとら・ぴとれ座 
NEW YEAR CONCERT2026

1/10 (土) 13:30 2500円(当日3000円)朝霞市民会館ゆめぱれす 朝霞市本町1-26-1(朝霞駅南口12分)
048-466-2525 曲目/ J.シュトラウス「皇帝円舞曲」
「美しく青きドナウ」喜歌劇「こうもり序曲」ほか

●ハナショウブとモミジ 
石井勇義と山田壽雄の園芸植物図譜
1/10(土)〜3/8(日) 9:30〜16:30 入場無料 火曜休園
(1/21(水)は休園) 牧野記念庭園記念館企画展示室 練馬区東大泉6-34-4(大泉学園駅南口5分) 03-6904-64
03 ※2/11(水・祝)〜3/8(日)に『日本産ツバキの図』
(国立国会図書館蔵)一部公開 

●第30回 あさか寄席 特選四人会〜四派競演〜
1/24(土) 13:30 2000円 朝霞市民会館ゆめぱれす
朝霞市本町1-26-1(朝霞駅南口12分) 048-466-25
25 出演/立川吉笑 瀧川鯉八 三遊亭萬橘 柳家わさび

●ねり美・ふる文コラボ企画
もっと浮世絵で行こ! 幕末明治の暮らし、娯楽、事件…
1/25(日)〜3/8(日) 9:00〜18:00 観覧無料 月曜休館
石神井公園ふるさと文化館 練馬区石神井町5-12-16
(石神井公園駅15分) 03-3996-4060

●東京交響楽団×大谷康子
未来への讃歌−音楽は国境を超える−

1/31(土)15:00 S5000円A4000円 練馬文化センタ
ー 練馬区練馬1-17-37(練馬駅1分) 曲目/メンデルスゾーン
ヴァイオリン協奏曲 スメタナ《わが祖国》より「ヴルダヴァ(モルダウ)」 萩森英明 ヴァイオリン協奏曲「未来への讃歌」

●オペラ彩 第42回定期公演
オペレッタ「メリー・ウィドウ」
(フランツ・レハール作曲)
1/31(土)・2/1(日) 14:00 S11000円A 9000円B80
00円 C6000円 和光市民文化センターサンアゼリア
和光市広沢1-5 048-468-7771 問合先048-201-3121オペラ彩
※ウインナ・オペレッタの傑作


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